乳酸菌とは?乳酸を生成して雑菌の繁殖を抑える細菌

乳酸菌を増やす3つのメリット

乳酸菌を増やす3つのメリット

乳酸菌とはヨーグルト、チーズ、乳酸飲料、ぬか漬け、キムチなどの食品の発酵を促す細菌類の一種です。乳酸菌は食物に含まれる乳糖やブドウ糖を発酵させ、それをエネルギーに変えて、多量の乳酸を作りだしています。

その乳酸には雑菌の増殖を防いで、食品の保存性を高めたり、食品の栄養価や風味を向上させ、体に好影響を及ぼすなど3つのメリットが存在します。

  1. 乳酸菌の出す乳酸で雑菌が死滅して、食品の保存性が高めます。
  2. 乳酸菌は食品の栄養価を高めると同時に、味に深みと旨味が出ます。
  3. 乳酸菌は直接、腸内環境を改善したり、善玉菌の栄養分になります。

私たちの消化器にも乳酸菌は多数存在します。例えば、腸には300種以上の細菌が約100兆個も住んでいます。このうちの約40種類が乳酸菌であり、重さは1kg以上です。この乳酸菌は善玉菌として腸内環境を正常にします。

一方、私たちの大腸には乳酸菌だけではなく、体に悪さをする悪玉菌もいます。この悪玉菌が増えると腸から体全体にトラブルが発生するため、善玉菌である乳酸菌を増やして、悪玉菌を減らすことが大切です。

腸内は元々雑菌が繁殖しにくい適度な酸性を保っており、この状態をキープすることが腸内環境の正常化につながります。仮に乳酸菌が増えると、腸内の酸性度を最適化して、善玉菌が一層住みやすい環境になります。

腸内環境が改善すると、腸の運動機能が活発化します。よく「ヨーグルトで便秘が解消される」と言われる根拠は、乳酸菌が働いているためです。便秘が解消されると腸内がきれいになるため、ストレスも軽減されます。

逆に便秘で腸内に毒素が溜まっていると、小腸や大腸から血液に流れ、全身に運ばれます。その結果、肌が荒れたり、自律神経で乱れて頭痛や肩こりが起きやすいです。アレルギー症状が悪化する原因の1つにもなっています。

ちなみに悪玉菌を増やす食品は肉類などに含まれているタンパク質です。タンパク質は体にとって大切な物質ですが、必要以上にタンパク質を摂ると腸内の悪玉菌は増えていきます。

そのため、便秘がちになったり、吐息やおならが臭くなってきたら、肉類の摂取を控えめにして野菜を多く食べるように心がけましょう。もちろん、その際は乳酸菌も忘れずに摂取して、腸内環境を整えたいです。

乳酸菌に関連する3種類の食べ物

1

発酵食品

乳酸菌を多く含む食品はヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品、乳酸飲料がよく知られています。漬け物、ピクルス、キムチなどの発酵野菜にも多量の乳酸菌が含まれ、メンマやマッコリなども少量の乳酸菌が存在します。

一般的に誤解されやすい食品は、醤油やみりんなどです。これらも発酵食品ですが、例えば、醤油は大豆を乳酸菌ではなく麹菌や酵母で発酵させているため、乳酸菌の効果は期待できません。

それ以外にもパンはイースト菌、納豆は納豆菌、ナタデココならナタ菌のように、発酵していても乳酸菌が関連しない食品は多く存在します。もちろん、納豆などの発酵食品は乳酸菌とは違う、別の健康効果が期待できます。

また、乳酸菌のほとんどは胃に到達すると胃酸で死滅してしまい、生きたまま腸に届かないことが多いです。しかしながら、死んだ乳酸菌は死活菌と呼ばれ、腸内の善玉菌の栄養源となり、無駄になることはありません。

2

オリゴ糖

オリゴ糖とは糖質の一種です。ブドウ糖などの単糖が2~10個ほど結合した状態を意味します。

糖質にはさまざまな種類が存在しますが、小腸で吸収される消化吸収性の糖質と大腸まで届く難消化性の糖質があります。オリゴ糖は難消化吸収性の糖質であり、胃酸などで消えることなくきちんと大腸に届きます。

オリゴ糖が大腸まで届くと、そこでビフィズス菌などの善玉菌を増殖させるための栄養源になるため、オリゴ糖も腸内環境を整える一役を担います。

また、オリゴ糖は糖質ですが、消化酵素では消化されないために小腸から吸収されず、血糖値の急激な上昇を抑えられます。

オリゴ糖を多く含む食べ物は大豆、ごぼう、アスパラガス、タマネギ、牛乳、バナナなどです。1日の摂取量の目安は成人で5~10g程度になります。

3

食物繊維

食物繊維と善玉菌は一般的には関連性をイメージしにくいですが、オリゴ糖と同じく食物繊維を多く含む食べ物を積極的に摂ると、結果的に善玉菌を増やすことができます。

体内に摂取された食物繊維は胃酸でその機能を損傷されることはなく、小腸でも消化されずに大腸で善玉菌の栄養源になります。

それ以外でも食物繊維そのものが、悪玉菌を作りだす有害物質を体外に排出させる働きもあります。1日の摂取量の目安は成人で20~25gとされていますが、便秘気味の人はその数値を上限に摂取することが望ましいです。

日常的に数種類の乳酸菌を摂取する理由

乳酸菌にはいろいろな種類があり、それぞれ効果や働き方が違いますが、複数の乳酸菌を摂ると、相乗効果で動きがより活発になるため、できたら乳酸が含まれる数種類の食品を日常的に食べることが理想です。

例えば、ヨーグルトにバナナとオリゴ糖を加えて、茹でたアスパラガスの上にチーズを乗せてオーブンで焼くなど、手軽に乳酸菌を摂取したいです。

また、食べ物から乳酸菌を摂取しても善玉菌はすぐには急増しませんし、腸内に定着することもできません。最初に乳酸菌腸内までがたどりつくと、すでに私たちの腸内に存在する乳酸菌の動きが活発になり、徐々に善玉菌が増えて腸内環境が改善します。

確かにヨーグルトを食べた次の日はお通じが改善したり、肌質がよくなる効果はありますが、摂取した乳酸菌が働いてくれる期間は数日~1週間くらいが限度ですので、毎日継続して乳酸菌を摂ることが最も効果的です。

特に腸内にいる「乳酸菌=善玉菌」の数が少ない人は、一時的に善玉菌が増加しても、悪玉菌にすぐにやられてしまいます。腸内環境が悪い人ほど、多くの乳酸菌と時間が必要であることは認識したいです。

乳酸菌を酸に弱いため、1日のうちに食後に摂ることが有効です。食前のお腹がすいているときは胃酸が多く出ているので、食後のほうがより効果が期待できます。デザートにヨーグルトであれば、ケーキなどに比べてカロリーも多くないですし、安価で続けやすいです。

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公開日公開日 2015.05.19
更新日更新日 2015.05.20
執筆者Kirito Nakano

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ピロリ菌事典編集部
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