血液検査でピロリ菌の有無を判定!7種類あるピロリ菌検査を比較

健康診断のオプションでは3,000円で検査可能

健康診断のオプションでは3,000円で検査可能

胃の不快感や病気を持つ人のみに、ピロリ菌の検査が推奨されているわけではありません。ピロリ菌は日本人全体の50%以上、50代以降では70%以上が感染しているため、日本人の多くが1度は受けておきたい検診です。

慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気を発症している人は、健康保険の適用が受けられますし、それ以外でも吐き気や膨満感などの諸症状がある人や遺伝的な胃がんのリスクが気になる人などが受診しています。

ただし、ピロリ菌の検査は7種類があります。健康診断ではIgG抗体検査という血液検査が一般的であり、オプション料金は約3,000円です。胃カメラを飲むタイプでは内視鏡の費用に加えて、2,000~12,000円がかかります。

名称説明
血液検査(IgG抗体検査)ピロリ菌が胃に存在すると、ピロリ菌を排除するために体内で抗体が作られます。血液検査ではこの抗体の量を調べます。費用は採血と検査判断料などで2,000円、抗体1個あたり800~1,000円です。
尿中抗体測定ピロリ菌の抗体は尿にも含まれるため、尿検査や唾液検査でも診断できます。尿検査の費用も血液検査と同じく3,000円程度です。
便中抗原測定便を採取して、ピロリ菌の抗原の有無を直接調べます。抗原とは抗体を作らせる原因となる毒素や成分の総称です。便中抗原測定の費用は3,000円程度です。
尿素呼気試験法ピロリ菌が分泌するウレアーゼという酵素は、胃粘膜に含まれる尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。そのため、呼気に含まれる二酸化炭素の量を測定すると、ピロリ菌の有無がわかります。費用は6,000円程度です。
迅速ウレアーゼ試験内視鏡で胃粘膜を採取して、特殊な黄色い液体に浸すと、ピロリ菌がいたときにピンク色になります。これはピロリ菌が分泌するウレアーゼという酵素が反応するためです。胃カメラの費用に加えて、2,000~3,000円が必要です。
培養法内視鏡で採取した胃粘膜を培養して、ピロリ菌の増え方を調べます。ピロリ菌の増殖には5~7日がかかるために、他のピロリ菌の検査よりも結果は遅いです。検査費用は内視鏡の約5,000円と培養法の約3,000円になります。
組織鏡検法内視鏡で胃組織を採取して、それを目視しやすくするために染色してから、顕微鏡でピロリ菌を見つける方法です。専門性の高い作業が必要であるため、費用は12,000円程度になります。

また、自分で専用器具を使って、指先から数滴の血液を採取するピロリ菌検査キットも在宅で検査できるために便利です。血液を指定の検査機関に返送するだけで、検査結果が3~4日後にメールで速報が送られます。

ピロリ菌は慢性胃炎や胃潰瘍などの胃の病気を発症させる要因ですが、悪性腫瘍になることが最も懸念されます。もちろん、ピロリ菌がいても100%悪性腫瘍になるわけではありません。

ただし、悪性腫瘍の人の100%がピロリ菌に感染していたという調査結果もありますし、ピロリ菌の血液検査が陽性の場合は、胃炎や胃潰瘍を発症しやすく、60歳以上になるとほぼ全員が萎縮性胃炎で悩まされます。

胃がんのリスクはABC検診がスムーズ

ピロリ菌の有無のみでは胃がんを発症している可能性は、憶測の範囲を出ません。定期的に胃がんのリスクを推測したい人は、血液検査で胃粘膜の萎縮を調べられるペプシノゲンの数値も計りましょう。

ピロリ菌のIgG抗体検査とペプシノゲン検査を組み合わせることで、胃がんのリスクをA~Dに分類できます。これは「ABC検診」と呼ばれており、胃腸科などの病院にて4,800~5,500円の料金で受けられます。

ピロリ菌ペプシノゲン分類
陰性(-)陰性(-)A群
陽性(+)陰性(-)B群
陽性(+)陽性(+)C群
陰性(-)陽性(+)D群

ピロリ菌のIgG抗体検査は10U/mL以上で陽性(+)、ペプシノゲンはペプシノゲンⅠとペプシノゲンⅡの比率が3.1未満で陽性(+)となります。

分類説明
A群A群の人から胃がんは発見されていません。胃粘膜が正常であり、胃の病気になる可能性や胃がんの発症リスクは低いと推測できます。ただし、35歳以上は5年に1回の内視鏡検査が推奨されています。
B群現時点では胃粘膜に異常は診られませんでした。しかし、B群の人は胃潰瘍を発症しやすく、胃がんも約0.2%の割合で見つかっています。2~3年に1回の内視鏡検査やピロリ菌を除菌をすることで、リスクを軽減したいです。
C群胃がんなどの病気になりやすく、すでに胃炎や胃潰瘍が存在する可能性が高いです。病的な症状を認識していなくても、定期的な内視鏡検査や精密検査の実施が望ましいです。CとD群の人の約2%から胃がんが発見されています。
D群ピロリ菌が陰性でもペプシノゲンが陽性のときは、ピロリ菌が住めないほど胃粘膜が弱っていることを意味しています。胃がんなどの病気のリスクが極めて高いため、精密検査を行いましょう。
E群すでにピロリ菌を除菌した人はE群に属します。また、胃疾患や十二指腸疾患で治療中の人、胃酸分泌抑制剤を服用中の人、胃を切除した人もABC検診では正しい判定ができないため、E群として検診が受けられません。

ABC検診は健康診断で胸部X線検査をしない若い人、バリウムや内視鏡を飲むといった身体的な負担を避けたい高齢者、加齢とともに胃粘膜が少なくなって違和感を覚える人などにおすすめです。

スポンサードリンク

本サイトでは専門性と倫理観に裏付けられた情報を掲載するように努めておりますが、内容の一部に誤りがあるなどのご指摘はお問い合わせより随時承っております。
公開日公開日 2015.12.20
更新日更新日 2016.04.20
執筆者Kirito Nakano

関連する記事

RELATED ARTICLES
医師に伝える4つの情報と医者を選ぶ3つのポイント
医師に伝える4つの情報と医者を選ぶ3つのポイント
胃の病気は種類も多く、胃腸や腹部の不快感といってもまちまちで、個人によっても症状に偏りがあります。そのため、まずは症状を上手に伝えること...
ピロリ菌のニュース一覧!胃疾患との関連性や除菌率の向上など
ピロリ菌のニュース一覧!胃疾患との関連性や除菌率の向上など
ピロリ菌の学術論文やニュースは専門用語が多くてわかりにくいです。そのため、各研究機関やマスメディアが公表した情報をわかりやすく意訳したの...
乳酸菌とは?乳酸を生成して雑菌の繁殖を抑える細菌
乳酸菌とは?乳酸を生成して雑菌の繁殖を抑える細菌
乳酸菌とはヨーグルト、チーズ、乳酸飲料、ぬか漬け、キムチなどの食品の発酵を促す細菌類の一種です。乳酸菌は食物に含まれる乳糖やブドウ糖を発...
唾液で感染しないピロリ菌!感染経路は不衛生な水道設備
唾液で感染しないピロリ菌!感染経路は不衛生な水道設備
上下水道の普及率が低く、衛生状態の悪い地域ではピロリ菌に感染する確率が高いことが判明しています。特に水道管の内部のヌルヌルに菌が繁殖して...

著作・制作など

AUTHOR AND PEOPLE
ピロリ菌事典編集部
ピロリ菌事典編集部
執筆・編集
ピロリ菌を除菌した体験談を中心に、胃との関連性を徹底解説。ヨーグルトによる治療や胃疾患などを紹介しています。

スポンサードリンク

SPONSURED LINK

ピックアップ

PICKUP

スポンサードリンク

SPONSURED LINK