ピロリ菌が存在すると急性胃炎や慢性胃炎になりやすいです。悪心、嘔吐、胸やけ、げっぷ、膨満感、重圧感、痛みなどが胃を襲います。
胃の内部はpH1~2と高い酸性ですが、ピロリ菌もこの酸性に耐える構造をしているわけではありません。
ピロリ菌が平気で動き回れるのは、胃酸から逃れているからです。胃の粘膜に好んで住みつき、粘液の下に潜りこんで胃酸から隠れています。
さらにピロリ菌はウレアーゼと呼ばれる酵素を生成し、体の回りをガードします。この酵素は胃粘液の成分である尿素をアンモニアと二酸化炭素に加水分解します。
化学方程式は「(NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2」になります。
この尿素の分解により、強アルカリ性のアンモニアと強酸性の胃酸を中和するわけです。
また、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。
ピロリ菌の検査で最も使用される尿素呼気試験法は、この二酸化炭素の量を呼気から判定する方法です。
ヘリコバクター・ピロリ菌は中性と酸性領域の2つのpHを持つウレアーゼを産生し、このウレアーゼが病原性に大きく関与しています。
ウレアーゼは粘膜障害を起こしますが、それ以外にも胃に悪影響を及ぼす物質を発しています。
特異的な外毒素である細胞空胞化毒素を吐き、これも粘膜障害を誘発します。
つまり、ピロリ菌そのものが胃に刺激を与えているのではなく、ピロリ菌が放出するウレアーゼが胃に悪影響を与えています。
また、「分泌酵素」と呼ばれるムチナーゼやプロテアーゼも同様ですし、ピロリ菌の最外殻に存在するリポ多糖、線毛に類似したIV型分泌装置によっても炎症が発症します。
ピロリ菌によっても細胞空胞化毒素を持つ菌と持たない菌が存在していますが、この毒素こそが慢性胃炎、消化器潰瘍、胃癌の本当の病原体と言われています。
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