「ピロリ菌が胃癌を作る仕組み」について、新聞に掲載されたことを紹介します。
そもそも、最近の研究でもピロリ菌の陽性例では2.9%に胃癌が発見され、ピロリ菌の陰性例では胃癌が全く認められませんでした。
このことから胃癌の場合にピロリ菌が存在する確率は100%に近く、ピロリ菌の何らかの性質が胃癌を誘発しているのではないかとされています。
「本来は免疫細胞にしかないはずの酵素がピロリ菌の刺激で現れ、誤作動することが癌の引き金になっているという。これまで知られていなかった新たな発癌メカニズムの解明として注目される。」
(「朝日新聞」 2007年4月2日 一部参照)
今までピロリ菌で胃癌になる確率は5~6倍とされてきたものの、その理由ははっきりしていませんでした。
「教授らが注目したのが、99年に自らが発見したAIDという酵素。この酵素は、最近などの多様な外的に対して様々な抗体を作るようにBリンパ球という免疫細胞の遺伝子に突然変異を誘導する働きを持つ。」
(「朝日新聞」 2007年4月2日 一部参照)
つまり、AIDが存在すると細胞が変異、癌化することを指しています。
「ピロリ菌に感染したネズミの胃粘膜細胞でAIDの有無を調べてみた。すると、本来ないはずのAIDがたくさん存在していることが判明。さらにその細胞では、癌抑制の作用を持つp53遺伝子など、複数の遺伝子に突然変異が起きていることを確かめた。」
(「朝日新聞」 2007年4月2日 一部参照)
ピロリ菌がいると、癌抑制の作用を持つ細胞が癌を抑制をする働きがなくなることで、癌が発生しやすくなります。
炎症で遺伝子が傷つく仕組みとしては、活性酵素が考えられていました。今回ははっきり遺伝子を変異させる酵素が特定されていて、十分な説得力があると思います。
引き続き、ピロリ菌の何がAIDを動かし、AIDが傷つけるターゲットが何かがわかることで、予防や治療につながるでしょう。
学名
ヘリコバクターピロリ
身長
約3-5μm
特徴
胃のみで生きられる
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