人類の起源がわかるピロリ菌

ピロリ菌の知恵袋

人類は古くからピロリ菌と戦ってきた

「ピロリ菌の感染ルート」について、新聞に掲載されたことを紹介します。

「胃潰瘍などの原因とされるピロリ菌に人類が感染したのは、人類がアフリカにいた約5万8000年前とする研究成果を、日米欧などの合同チームがまとめた。地域や民族によってピロリ菌の遺伝子が違うことから、日本人の起源の解明など、人類の足跡を知る証拠にもなりうるという。」
(出典  「毎日新聞」  2007年2月8日)

人類はアフリカから広がっていったとされています。最も古いとされている人の祖先は東アフリカで発見された約400年前の化石人骨です。

しかし、今回の実験は化石からではなく、現在の人間が持つピロリ菌の遺伝子の違いから解析しています。

「チームは6年がかりで世界51民族、769人の胃からピロリ菌を集め、菌の遺伝子の違いを分析した。その結果、遺伝子は民族ごとに異なり、アフリカや欧州、アジアなど地域ごとに6種類に大別されるほか、人類が最初に誕生したとされる東アフリカを起源に変化してきたと考えるのが最も合理的との結論を得た。」
(出典  「毎日新聞」  2007年2月8日)

人類がアフリカから各地に移住し始めたのは約5万年前とされています。実験で遺伝子の変化を逆算したところ、最初の感染時期はさらに約8000年さかのぼるとみられています。

今までの調査では約100万年前にヨーロッパのハイデルベルク人、約80万年前にインドネシアのジャワ原人、約4万年前に東アジアの北京原人が誕生しました。約8000年前には南アメリカにも人類が存在したとされています。

ピロリ菌の遺伝子が日本人と似ている

「ピロリ菌の遺伝子を比べると、例えば北米の先住民と日本人が似ているほか、在米アジア人は2世までアジア人タイプのピロリ菌を持っており、ヒトの遺伝子を使った解析よりも詳しい移住の歴史が解き明かされる可能性もあるという」
(出典  「毎日新聞」  2007年2月8日)

ここからはピロリ菌が人類史初期のアフリカ時代から人類を胃炎で悩ましていた事実がわかります。

「まるで遺伝のように受け継がれているらしいことが分かった。菌の感染経路や、国や地域によって胃癌の発生率が違う原因の解明などにもつながるはず」
(出典  「毎日新聞」  2007年2月8日)

胃の中にいるピロリ菌が有名になったのはごく最近のことです。胃や十二指腸の潰瘍を起こすことを豪州の研究者が解明し、2005年のノーベル医学生理学賞を受賞するまでになりました。

ピロリ菌の遺伝子の違いからどういった進化を歩んできたのか、

この私たちを悩ませているピロリ菌の遺伝子情報が、今後の人類の起源を決定付ける証拠になるかもしれません。

ピロリ菌のデータ

ピロリ菌のデータ   学名  
Helicobacter Pylori
  身長  
約3-5μm
  特徴  
胃のみで生きられる

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