悪さをするピロリ菌の生態

ピロリ菌の基礎知識

ピロリ菌の正式名称の由来

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」と言います。今でこそ有名になりましたが、1980~1990年代は正体不明の謎が多い細菌でした。

ヘリコとはギリシャ語でらせんという意味を持ちます。これはピロリ菌が2~3回ねじれたらせん菌の形状をしているためです。

ヘリコに続くバクターは細菌のことです。キャンピロバクター、フィブロバクター、アセトバクターといったように細菌にはバクターが付きます。

ヘリコバクターでらせん菌になります。このようなヘリコバクター属は2000年で24種に分類されています。

また、「ピロリ」とはピロリ菌が胃の出口に近い幽門部のことを指すピロルスで発見されることから名付けられました。

胃の出口に近い幽門部にいるらせん状の細菌であることからヘリコバクター・ピロリ菌と呼ばれています。

足みたいな鞭毛で動き回るピロリ菌

足みたいな鞭毛で動き回るピロリ菌ピロリ菌は細菌ですのでとても小さく、直径約0.5μm、長さ約3.0μmで、顕微鏡でやっと確認できる大きさです。

らせん菌の形状を持ち、顕微鏡では右の写真のようなS字状に曲がりくねった形態として観察されます。

長軸の両端に4~8本の鞭毛を持ち、この鞭毛の回転運動で活発に動き、胃の中の溶液内や胃粘膜を覆っている粘液層を泳ぎます。

ピロリ菌が存在できる環境は微好気性で、栄養要求性が高い場所に限られ、分離や培養が難しい部類の細菌です。

そのため、ピロリ菌は低濃度の酸素と二酸化炭素を効率良く利用する微好気培養技術で培養されます。

胃粘膜のヒダの奥にもぐりこんだピロリ菌は、胃粘膜が分泌する粘液を栄養源にして生き続けています。

ピロリ菌が胃に存在できる理由

ピロリ菌が住む胃の中は強酸性で、大抵の物質は溶けてしまい、細菌類も含めた生物は生き残ることができません。

ただ、ピロリ菌は胃の中で活発なわけではなく、胃壁の内部にある粘膜や粘液の下に潜り込み、胃酸から逃れ逃るために、数本のべん毛を使って動き回っています。

さらに自らウレアーゼと呼ばれる酵素を発生させ、このウレアーゼが胃粘液にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。このアンモニアと胃酸を中和させて、快適な環境を作ることができます。

実はこのウレアーゼを含めた多くの毒素が、胃粘膜に悪影響を及ぼすために、胃炎や胃潰瘍の原因になってしまいます。

決して胃酸にも勝てる強力な体質を持っているわけではなく、胃酸に耐えて抜くために胃壁内に逃げたり、胃酸を避けたりしているわけです。

栄養分が豊富にある胃粘液などにしか生息できないデリケートな細菌で、培養することも難しかった経緯がありました。

逆にピロリ菌は自然環境においては動物の胃の中だけで増殖可能です。以前は人以外からは分離培養ができず、人が唯一の感染源という説もありましたが、動物の胃からも発見されました。

それ以外の場所でらせん状の細菌は長時間生き残ることはできません。周囲の環境が自分に適さなくなると、「コッコイドフォルム」という球状に変体して、活動や増殖を休止します。

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細菌データ

ピロリ菌   学名  
Helicobacter Pylori
  身長  
約3-5μm
  特徴  
胃の中で快適に生活中

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