ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」と言います。
「ヘリコ」とはギリシャ語でらせんという意味を持ちます。これはピロリ菌が2~3回ねじれたらせん菌の形状をしているためです。
ヘリコに続く「バクター」は細菌のことです。キャンピロバクター、フィブロバクター、アセトバクターといったように細菌にはバクターが付きます。
ヘリコバクターでらせん菌になります。このようなヘリコバクター属は2000年で24種に分類されています。
また、「ピロリ」とはピロリ菌が胃の出口に近い幽門部のことを指すピロルスで発見されることから名付けられました。
胃の出口に近い幽門部にいるらせん状の細菌であることからヘリコバクター・ピロリ菌と呼ばれています。
ピロリ菌は細菌ですのでとても小さく、直径約0.5μm、長さ約3.0μmで、顕微鏡でやっと確認できるくらいの大きさです。
らせん菌の形状を持ち、顕微鏡では右の写真のようなS字状に曲がりくねった形態として観察されます。
長軸の両端に4~8本の鞭毛を持ち、この鞭毛の回転運動で活発に動き、胃の中の溶液内や胃粘膜を覆っている粘液層を遊泳できます。
ピロリ菌が存在できる環境は微好気性で、栄養要求性が高い場所に限られ、分離や培養が難しい部類の細菌です。
そのため、ピロリ菌は低濃度の酸素と二酸化炭素を効率良く利用する微好気培養技術で培養されます。
胃粘膜のヒダの奥にもぐりこんだピロリ菌は、胃粘膜が分泌する粘液を栄養源にして生き続けています。
ピロリ菌が住む胃の中はpH1~2と高い酸性で、とても生物が生きていけるような環境ではありません。
しかし、ピロリ菌は胃の粘膜に好んで住みつき、粘液の下に潜り込んで胃酸から逃れています。
胃酸に耐えて生きていくために、体の周りに高いアルカリ性のアンモニアを発生させ、胃酸を中和させます。このアンモニアが胃粘膜の障害をもたらしているのです。
ピロリ菌は低濃度の酸素と二酸化炭素が存在し、胃粘液などの栄養分がある場所でしか生きられないので、胃は最適な環境と言えます。
逆にピロリ菌は自然環境においては動物の胃の中だけで増殖可能です。以前は人以外からは分離培養ができず、人が唯一の感染源という説もありましたが、実際は動物の胃からも発見されています。
それ以外の場所では生きたらせん状の細菌では長時間生き残ることはできません。周囲の環境が自分に適さなくなると、形をコッコイドフォルムという球状に変体して、活動や増殖を休止します。
胃腸科でピロリ菌を治療
消化管X線検査